■実際どうなの?専業主婦の年金の実態

年金の保険料は会社勤めをしている方であれば給料から天引きされていますが、給与所得がない専業主婦の場合はどうなっているのでしょうか。年金は老後の大事な生活資金の一部ですので、今のうちに仕組みをよく理解しておきましょう。

☆年金制度は3種類!専業主婦は第三号被保険者に該当する

年金は3つの制度から成り立っています。「第一号被保険者」とは、年金の基本となる国民年金に加入している人のことを指します。これに該当する人は主に、自営業者やフリーランスなど会社勤めをしていない人が該当します。平成29年度の国民年金保険料は一律16,490円となっており、他の年金制度と比べると保険料は安いことが多いですが、その分受給できる年金も少ないことが多いです。

「第二号被保険者」とは、会社勤めをしているサラリーマンなどが加入する厚生年金に加入している人のことを指します。厚生年金は標準報酬月額などの貰っている給与所得に応じて納める保険料が変わる仕組みを採用しており、給与所得が多い人ほど納める税金は高くなります。

そして、「第三号被保険者」に該当するのが第二号被保険者に扶養されている配偶者、つまり「いわゆる専業主婦」という人たちのことを指すのです。

☆第三号被保険者の保険料支払いはゼロ

厳密にいうと、第三号被保険者とは第二号被保険者の配偶者である以外にも「年収130万円以下、かつ20歳以上60歳未満の人」と決められています。この第三号被保険者の保険料については「自分の代わりに第二号被保険者である夫が払ってくれている」という誤解をしている人をよく見かけます。しかし、実は第三号被保険者の保険料は夫一人が払っているのではなく、第三号被保険者全体の保険料を第一号、第二号被保険者全体で支えているのです。つまり、夫である第二号被保険者の保険料は配偶者がいてもいなくても変わりません。第三号被保険者であることの大きなメリットとしては、このように本人が保険料を負担していなくても「第一号、第二号被保険者の保険料によって老齢基礎年金を受給することができる」ということがあるのです。

☆働いていた経験があれば厚生年金も!

現在は第三号被保険者でも、過去に会社で働いていた経験があると言う人は老齢基礎年金に加えて、働いていた期間に納めた分だけの厚生年金を受給することが可能です。例えば、「20歳から25歳まで会社勤めをしていて第二号被保険者となっていたが、結婚を機に26歳から60歳まで第三号被保険者になった」というケースでは、受給開始年齢から満額の老齢基礎年金に加えて、会社勤めをしていた6年間に納めた金額に対する年金を厚生年金として受給することができます。

自分の受給できる年金額がいくらぐらいなのかというのは、老後の生活を考える上でとても重要なものです。定期的に送られてくる年金定期便で確認することもできますが、現在では日本年金機構の「ねんきんネット」というサイトで自分のもらえる年金額の試算をすることもできますので、気になる方は利用してみてはいかがでしょうか。